• 連絡先
    〒547-0032
    大阪市平野区流町1-6-41
    大阪教育大学
    附属平野小学校
    GoogleMap Tel:06-6709-1230
    Fax:06-6709-2839
    E-mail:hirasho@cc.osaka-kyoiku.ac.jp

  • アクセス

    ・大阪市営地下鉄谷町線
       平野駅下車(徒歩6分)
    ・大阪市営バス
       流町下車(徒歩6分)

社会

令和4年度 社会科教科論

社会科教科論

「自分軸」をもって,他者と共に未来の社会をそうぞうする子ども

―「自分軸」を可視化して行う対話を通して―

現代はV U C A(変動性,不確実性,複雑性,曖昧性)時代と言われ,未来の予測が非常に困難な時代と言われている。このような時代において,予測困難な社会の変化に主体的に関わり,感性を豊かに働かせながら,どのような未来を創っていくのか,どのような社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え,自らの可能性を発揮し,よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにしていくことが,現代教育としての役割である。それを実現するために,授業を通して自分の意思をもって他者と協力しながら,未来の社会をそうぞうすることが重要であると考え,本校社会科のめざす子ども像を「『自分軸』をもって,他者と共に未来の社会をそうぞうする子ども」とした。

 


本校,社会科において「自分軸」とは,よりよい未来や社会の在り方について考える際に,自他を尊重しながら,自分も含めた社会で生きる人々の利益や幸福を実現するための根拠(価値観)である。

 

「人々が豊かに生きていくため」の社会を実現していく際に重視するものとして,「利便性」「快適性」「安全性・安心性」「エンターテインメント性」「持続可能性」「ユニバーサルデザイン」等が考えられるが,それらのどの軸を根拠として自分の考えをもつかは,それぞれの価値観によって決まっていく。

「地域に建てる施設」について考えたとする。「遊園地」「公園」「高齢者施設」「博物館」など,いろいろなものが考えられるが,社会で生きる人々の利益や幸福を実現するためにはどれを建てればよいかを考えていく。その際,重要なのは,国際的,平和的,民主的な視点で考えることである。

 

・高齢者が増えてきているので,高齢者施設があるとみんなが安心して暮らせる

 

ここで大切なのは,その施設よりも根拠の方である。高齢者施設を選んだ子どもならば「安全性・安心性」こそが,その子どもにとって実現したいことであり,それこそが「自分軸」である。  

この「自分軸」という価値観を形成することで,より確かな未来の社会をそうぞうすることができる。さらにそれを他者と交流しながら考えを深め,「自分軸」を強化・深化させていくことが重要だと考えた。

 

また、社会科は公民としての資質・能力を育成する教科である。現学習指導要領においては,グローバル化する国際社会において,主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力を育成することが求められている。その基礎を養う小学校社会科では,まずは,人・もの・ことに着目して社会的事象を調べ,その意味を追究していく。そして,未来や社会の在り方について,根拠をもって価値判断・意思決定したり【自分軸をもつ】,学んだことを生かし,対象について多面的・多角的に考察した上で,自分の考えをもったり【自分軸の強化】して,それらを他者と交流しながら考えを深化させていく【自分軸の深化】。そういったことの積み重ねにより公民としての資質・能力の基礎が養われると考える。さらに子どもたちが社会科で培った力や姿を実社会で実践すること【自分軸の発揮】が,公民として必要なことである。

そのために授業を行っていく上では,人・もの・ことに着目し,社会的な見方・考え方を働かせられるよう単元を構成し,課題把握,課題追究し,社会的事象を多面的・多角的に考察した上で国際的,平和的,民主的な視点から未来の社会をそうぞうする,つまりよりよい未来や社会の在り方を構想していくことが重要である。

 

さらに、予測困難な社会で「自分軸」をもって未来をそうぞうしていくために,授業の中で未来の社会をそうぞうする場を設定する。その際,他者と交流して「自分軸」を深化させることが重要であり,お互いの「自分軸」を意識しながら対話をすることで,「自分軸」の深化へと繋がっていくとい考える。

 例えば「交通事故を防ぐために,信号の時間を長くするかどうか」について話し合ったとする。

 


A:大きな交差点だと渡りきれないことがあるから,信号を長くすればいいと思う。

B:でもそうすると,違う方が(信号が赤のままなので)便利じゃない。

C:では地下道にすればいい。

A:地下道にしたらお年寄りにとっては便利じゃない。

C:じゃあ,地下道にエレベーターをつけよう。

 

このような対話で,Aの「自分軸」は「安全性・安心性」でBは「利便性」だということがわかる。それを意識させて対話することで,その状況でどの軸が適しているかや,2つの軸を両方実現させるためにどうすればよいかなどを考えられるようにする。

 交流する際はI C T機器やワークシート,板書などを用いて,「自分軸」を可視化した上で交流を行うようにする。「自分軸」を可視化する方法については,次のようなものが考えられる。

 

○大きく示す

考えを交流する際に,I C T機器やホワイトボード,ワークシートなどを用いて,友だちに「自分軸」が見えるように書いたものを示しながら対話する。

○二軸で自分の位置を表す

考えを交流する際に,I C T機器や板書,ワークシートなどを用いて二軸をかき,そこに「自分」の位置を示しながら対話する。 

○割合で示す

考えを交流する際に,I C T機器やホワイトボード,ワークシートなどを用いて,自分が大切にしたい視点の割合をかきそれを示しながら対話する。

 このように「自分軸」を可視化しながら対話する際に,対話を指導者がコーディネートするなどをして,他者の考えの根拠に目を向けられるようにし,適切に価値判断・意思決定したり,両方の考えの折衷案をつくったりすることで,より考えを深化させるようにしていく。

 

イメージ画像

イメージ画像

TOP